もしかして起きた?
「安藤、安藤さーん」
「うっせえ、月白」
「ひっどい。体調悪いからって何言っても良いわけじゃ」
「急にごめんとか言うな馬鹿」
……いつから起きてたんだ。
鼻を啜る音が聞こえて、どきりとする。もしかしてなんですけど、
「泣いてる?」
「鬱陶しい」
「なんで泣いてんの? 怖い夢でも見た?」
「違えよ」
のろのろと起き上がった安藤に、近くに置いてあったティッシュを差し出す。その手首ごと引っ張られて、戸惑う。
いや、私の手で鼻をかまれるのはちょっと。
でもぐいぐい引っ張られるので、「どうしたいの?」と聞いてみた。



