もっと、信じてほしい。

安藤は全然、弱いところを私に見せない。猫なのか。

私は安藤に救ってもらったのに。

ベッドに腕を置いてその上に顎を乗せる。安藤の服の匂いがした。

「……あのさ、ごめんね」

布団の上から、ぽんぽんと身体を叩く。

「私、良い彼女じゃなくて、ごめんね」

高梨さんに会ったとき、隣に立っていられなかった。
携帯が繋がらなくなって、すぐに会いに来なかった。

何が信じて欲しい、だ。

私の方が信じていない。

安藤の腕が動いて、目元へ持っていかれる。そしてこちらに背中が向けられた。