矢敷さんが訝しがっていたけれど、そんなのも気にならない。 「どうだった?」 「修正してもらいました」 「ああ……良かったそれは」 書類を渡して、席に戻る。伊勢先輩と矢敷さんが目を合わせて肩を竦めるのには全然気づかなかった。 安藤の部屋のチャイムを押すと、扉がゆっくり開いた。 「え、大丈夫?」 「……まあまあ」 人は大丈夫じゃないとき程、大丈夫だと言いたがる生き物だ。 それは、強い人間であればある程。 部屋着のグレースウェットの上にパーカーを羽織っている。顔色が昼間見たときよりも悪い。