ぎゅうぎゅうと抱き締めるみどりさん
苦しいけど、今のモヤモヤも抱き締めてくれてるみたいでホッとする
「そんなやつ、ちゃんと気持ち言ってくれないなら別れてやるって啖呵切っちゃいな!」
七瀬さんと同じことを言うみどりさんに笑えてくる
「元気出てきました」
「そう?よかった!私は麗ちゃんの良いとこいっぱい知ってるよ!
だから大丈夫!
ないだろうけど、社長が麗ちゃんを振ったりしたら社長はもう企画課には来れないだろうなぁ」
私はあまり意味がわからくて首を傾げたけどそんな様子に更にみどりさんは私をぎゅっと抱き締めてくれた
そんな時急にみどりさんが離れた
いや、離された
私はびっくりして顔を上げると
「しゃ、社長?」
「田代………くっつきすぎだ」
「あらあら、麗ちゃんは私にぜーんぶあずけてくれて可愛かったのに」
「くっ…………」
「た、尊………ここ、食堂だから!な?麗ちゃんが困るだろ?」
デジャブ?
朝もそんなやりとりを耳にしたとこ
内容までは聞こえて無いだろうけど、視線は感じる
みどりさんに社長に幸輝さん。
こんな美形3人がいて、しかも社長はめったに顔を出さないのに……
やっぱり三人は旧知の仲なのかやりとりを聞いてると自然に笑顔になれた
「みどりさん!行きましょ!」
私はみどりさんの腕に絡めて二人に頭を下げて食堂を出た
「麗ちゃん、大丈夫よ
あんな人が一杯の所にまで麗ちゃん探しに来るんだから!」
みどりさんの言葉に私は頷いた
何だか吹っ切れた
「ちゃんと聞いてみます!振られたら慰めてくださいね!」