「川口はいい女だよ」

「………あぁ」

「中学の時はアイツを自分のものにしたかった
学校のアイドルみたいな感じだったしな」

「あ、やっぱりそうなんだ?」

「中学の時とは違う、大事にしたいし
もし俺が幸せにしてやれるならそうしたい
惚れてるのかと聞かれたら惚れてる
でも、アイツを幸せにしてやれるのが俺じゃないなら尊でも幸輝でもいい」



竜の気持ちがわかるようで、わからない
誰かをそんなに大事に思ったことはない
麗ちゃんへの気持ちだって



「泣かせたら尊でも許さねぇけどな
幸輝も別に我慢することないだろ?
好きになるのに理由なんてない
川口と出会ってからの今まで幸輝が感じたアイツはどうだった?
幸輝はどう思ったかだろ?」



麗ちゃんとの出会い

変な男に絡まれていた
振り返った時の麗ちゃんがいい女でびっくりした
尊を見ても動じなくて、きっちりお礼を言ってきて好感がもてた
会社で会ったときも、他のやつらが口を揃えて麗ちゃんを褒め称え
社長室に来て驚く麗ちゃんが可愛くて
本家での麗ちゃんには驚かされた
あんな綺麗で可愛い子がポンポン男を投げて
胴着で汗だくになってるのに、綺麗だと思った
俺はずっと麗ちゃんを見てた
会長に頭を下げる姿に…………



「そうだな、俺は麗ちゃんのこと好きだわ
尊にも竜にも渡したくない」



麗ちゃんの事を思い出して、胸が熱くなっていた
会長に頭を下げた時、俺はもうヤられた



「お前の初めては川口か?」

ニヤリと笑う竜に俺も笑った

「そうだな、初めて好きになって……初めて告白するよ」