昔からそれなりに女が寄ってきた
そんな中でもそれなりにちゃんと付き合ったりもしてたけど………


だいたいが、尊に近づくためだったっけ
本気になっても自分が傷付くのがわかったんだろうな……

結局は派手な女ばかりだったけど嫌いじゃないし
抱くには後腐れもなく楽だったから彼女という特定の女は作らなくなった


そんな俺の横にいる尊はいつでも女がまとわりついていたけど手はつけなかった
あの女と出会うまで



「あんま、女を信用できないんだよね」

「………尊の女か?」

「それもあるけど、俺に近づく女も尊に近付く目的だしな

本気になれないよ」

「そうか……」


竜は俺の気持ちを察したのかタバコに手をつけた
竜も尊に劣らずいい男だ



「やっぱり、竜は麗ちゃん?」

「………次会うときには、告げる」

「え?あー、さっきそんな約束してたな」


竜がちゃんと話がしたいと告げた時の麗ちゃんは本当に優しく綺麗な笑顔を見せた
尊は一瞬で黒いオーラを放ってたけどな
その時の事を思い出して、少し笑えた



「尊の女だとしても、この10年俺の頭の中にいたのはあいつだけだ
あの時とは違う」


熱い告白
竜も本気なのか



尚更、俺なんて……
そんな風に麗ちゃんに告げる勇気はない
麗ちゃんへの想いだって尊や竜に比べたら「いい女」程度だ



「俺の気持ちは少し違う」

「え?」