俺は正木幸輝(まさきこうき)
そして、いま俺の前を歩いているのは正木尊(たける)
俺達は従兄弟だ
尊の父親と俺の母親が兄妹だ
尊は、"正木コーポレーション"の社長だ
尊の親父さんが会長だ
"正木コーポレーション"と言えばこの辺界隈では知らないやつはいないだろう
"正木コーポレーション"に就職出来れば将来安泰なんて言われている
そして、正木コーポレーションは正木組に結び付く
正木尊は正木組若頭でもある
所謂、やくざだ
それでも、世間を賑わすような不祥事はなく警察ともうまく関わりながら自分達のシマを守っている
だからと言って一般市民と仲良くする訳ではない
所詮やくざは、やくざだ
尊は正木コーポレーションの社長ではあるが若頭と言う立場もあり月に一度の経営会議の時に出社するくらいだ
尊の顔を知らない社員も多いだろう
優秀な社員が揃ってるから何ら問題ない
何かあった時は俺に連絡が入るようになっている
俺は昔からこの尊と共に過ごしてきた
従兄弟であり、戦友であり、親友でもある
まぁ、今は社長秘書って感じだな
俺と尊のは周りから言わせれば正反対らしい
寡黙で静かな所謂、クールな尊と
チャラいなんて言われている俺
正反対でも、ライバルでも俺はこの正木尊に惚れ込んでいる
尊は俺の方が社長の器だなんて言うが、とんでもない
尊をサポートするのが俺
もう、25歳になれば自分の事はよくわかっているつもりだ
トップに立つより、サポートする方が俺の性には合ってる