「兄貴が卒業するのそんなに寂しいんだー、日和は」 「周くんは佐お兄ちゃんと毎日一緒にいるからなんとも思わないだろうけど!」 私は無理やり周くんを振り切る。 さっき乱暴に腕をのせられていたせいで、髪の毛がぐちゃぐちゃだ。 もう、なんで同じ兄弟なのにこんなにも性格が違うの? 周くんは本当に意地悪で、佐お兄ちゃんとはまるで真反対。 かろうじてイケメンなところが似てるぐらい。 せっかくの切ない想いも、涙も一瞬吹き飛んでしまった。