もっともっと話していたいけど気づいたらHRが始まる10分前になってしまった。

何か…何かないかな……?あ…!!

「せ、瀬戸口くん!!」

自分でもびっくりするくらいの大きな声で名前を呼んだ。

「なんだよ急に」

瀬戸口くんもびっくりしているみたい。

「あ…あの…!!」

き、緊張して言えない…!!

「イライラするから早く言って」

瀬戸口くんは緊張している私に追い討ちをかけるように言った。

「連絡先交換したい…!!」

言っちゃった…!!どうしよう…!!

恥ずかしすぎて私は下を向いた。

それから瀬戸口くんは黙り込んでしまった。

しばらく無言が続いて私は焦って顔を上げて言った。

「あ…!!ごめん!!嫌だったら…大丈夫……!!」

精一杯笑って誤魔化したけど心はずっとズキズキしていた。

「いや違「お〜はよ〜!!」

瀬戸口くんが何かを言いかけたところで後ろから花恋が来た。

「なーにやってんの!!」

「花恋!!今瀬戸口くんと話しててっ...」

瀬戸口くんはもうこっちを向いていなかった。

ズキン

「へぇー...。
あのさ、今日クラスでカラオケ行くらしいんだけどゆずも行くよね?」

「花恋が行くなら行くよ!!」

「了解!!」

そう言って女の子に話しかけていた。

すごい...。

もう普通に話せてるよ...。

ちらっと瀬戸口くんの方を向くとまた本を読んでいた。

あ...。

瀬戸口くんも…行くのかな?

すると一ノ瀬くんが瀬戸口くんの席に近づいていった。

「なぁ〜!!何読んでんの〜?」

一ノ瀬くんは瀬戸口くんの席に手を置いて話しかけていた。

「別に」

瀬戸口くんは…すごく不機嫌そうな顔。

「なんだよ冷たいな!!
てか蒼生って呼んでいい〜?」

「は?」

すごいなぁ一ノ瀬くん…。

それから一ノ瀬くんは瀬戸口くんにずっと話しかけていた。

瀬戸口くんは相変わらず不機嫌そうだったけど…。

「お〜いおまえら座れ〜」

さっきーが教室にきて朝のHRが始まった。

静かになると1人で少し考えてしまう。

そんなに嫌だったかなぁ…。

言わなければよかったなぁ〜…。