そう口にすると、2人の表情は一気に綻んだ。 そんなにメンバーを探していたのかと思うと、なんだかいいことをした気分。なんて。 「バーカ」 不意に後ろから、クイっと髪を引かれた。 そんなことをするのは1人しかいない。 「ば、バカっていきなり…」 「バカはバカ。自覚なさすぎ」 「え?」 なんだか少し不機嫌な和泉くんに、私は首をかしげる。 聞き返してもこれ以上和泉くんの言葉をもらえないまま、修学旅行のメンバーはこの6人で決まったのだった。