けど、その直前。 ──────RRrrr…… 和泉くんのポケットの方から着信音が聞こえて、それに気付いた和泉くんが足を止める。 保健室にいるみんなにペコリと頭を下げると、そのままスマホを耳に当てて保健室を出て行った。 「今行くって」なんてセリフが廊下から聞こえてきて、あぁ、と思う。 「何?彼女?」 「っ、さぁ…?」 慎くんの何気ない疑問に、心臓がドキンと嫌な音を立てた。