* 蒼 side ** 「アオちゃん?おーい、アオちゃんてば、」 「……あ、何?」 「もう、やっとこっち見た。大丈夫?」 隣にいるユキの声で、ハッとした。 「さっきの子、もういいの?」 「…っ、」 それから続けて問われた言葉と同時に思い出すのは、さっきの光景。 あの従兄弟と花宮さんの影が、重なる瞬間。