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「さみぃ」
「つべこべ言わずに! そこに突っ立っててください」
とりあえず、私たちは駅前に来ていた。
斗春をなるべくオシャレにさせて、駅前に立たせる。
相手はオトメ達だ。
『見てくれだけは無駄にスペックの高い斗春を設置しておけば、引っ掛かってくれるのではないか作戦』だ。
本人には、ルアーで一本釣り作戦と言っているが、実はゴキブリほいほいの方が近いと思っている。
「はい、えりは立てて、胸元ははだけて・・・ダメ! 手はポケットに入れずに腕組み。ポケットに財布は入れないで!シルエットが崩れる!」
「ふみのん、マジで母親みてぇ、パねぇ」
「さっさと帰れよ犯罪者」
「ふみのーん。解決まで見ないと、報酬払えないッスよ?」
「じゃあ、せめて黙ってて、お願いだから、このとーり」
ずばっ。
「え、こ、こんなので土下座されるの、俺!? ウケるんだけど」