その言葉は、どんなに立派な花束より、高価な餞別より嬉しくて。じんわりと、胸の奥が暖かくなった。

「ありがとう……」

私はぎゅっと、彼の胸に顔を押し付ける。

何年も務めた会社で誰にも引き止められない私だけど、あなたがいれば寂しくない。

あなたが私を好きだと言ってくれてから、確実に私の中であなたの存在が大きくなっている。

暖かい心で私を癒してくれて、荒んでささくれだっている私を綺麗だと言ってくれる。

そんなあなたになんて言っていいのか、うまい言葉がまだ見つからない。

レヴィはしばらく、黙って私の頭を優しくなでてくれていた。