金茶色の髪をさらりと揺らし、完璧な笑顔で挨拶をするレヴィ。その華麗さに圧倒された女子たちは、使い慣れない言葉でぎこちない挨拶を返した。

彼女たちの顔に浮かぶのは、レヴィに対する興味。そして私に対する敵対心。後者を巧みに隠し、彼女たちは笑う。

「ええー、中岡先輩すごーい。先輩の彼氏っていつもハイスペックですよねー」

「そうそう、別れたばっかりの彼氏もー、かっこよくてー、お金持ちでー。そういう人、好きなんですねー」

私が二股でもかけていたと言いたいのか。やたら元カレの存在を強調する後輩たち。

しかしレヴィは余裕の表情で微笑んだまま。

「そんな莉子に選んでもらえて光栄だな。僕もハイスペックってことだね」

恥ずかしげもなくそう答えるものだから、後輩たちはあんぐりと口を開けて固まってしまう。私も同じだった。

自分のこと、自分でハイスペックって……。

呆然としていると、私の腕をつんつんとつつく人がいた。振り返る。出た。悪魔……じゃない、由香だ。

「ねえ、もっと詳しく聞かせてよ。どこで出会ったとか。まず彼は何をしてる人なの? 友達は多い方?」

そう質問を連発してくる由香の目には打算の色が濃く浮かんでいた。