素直にレヴィに甘えることができたら、どんなにいいだろう。
なのに、甘え方がわからない。甘えたらうざったがられるんじゃないかと思ってしまう。
元カレのときもそうだった。あんなにひどいお別れ宣言をされて、泣いてすがることすらできなかった。
「ああ……」
色々と考えてしまって眠れない。むくりと起き上がり、放り投げられていたバッグの中から携帯を取り出す。
ニュースでも見ようかとホームボタンを押した瞬間、ブーッとバイブ音がした。
「ん? んん?」
SNSのメッセージ到着の通知だ。滅多に来ないことだからビックリした後、その差出人を見てもう一度ビックリした。
『博之さんから新着メッセージがあります』
博之とは、元カレの名前だ。本名は多部博之。
そういえばブロックしていなかったっけ。別れた途端に色々あって、正直SNSなんてどうでもよくなっていたから忘れていた。
いったい何の用だろう? まさか、今までの貢物の総額を返金しろとか、そういう話じゃないでしょうね……。
すっかり情緒不安定になっている私は、おそるおそるメッセージを開いた。
『久しぶり。元気にしてる? 今、一時帰国中。会社で莉子が辞めたと聞いてビックリしている。しかも違う相手と結婚するんだって? 俺が遊ばれていただけならいいけど、変な男に騙されてないか? 大丈夫?』