俺が芸能界デビューしたのは中学2年の夏だ

った。

プロデューサーの親父が女性アイドルの衰

退を受け急遽10代女子に的を絞って募集を

かけた。

しかし結果はどれもこれもダメ。2次審査ま

ではいっても、最終審査に進む逸材の女の子

がいなかったそうだ。

そこで親父が俺に目をつけた。

親父いわく

「色白で華奢で小柄な可愛い女の子。これ

からの女性アイドル界を担うのはお前なん

だよ。それに声変わりもしていないから丁

度いい」

だそうだ。

何が「丁度いい」だ!

「1回でいい。

『美少女アイドルの衝撃デビュー☆』

って会見開いてな。あっはっは」

・・・何てこった。俺の親父は相当ぶっ飛

んだアホらしい。

「そんなの出来るわけないだろ!大体、ク

ラスのヤツに見られたらどうすんだよ」