夕方になり、親父が家に帰ってきた。

「瑞希、ただいま」

「おかえり」

親父は俺の事を思ってか熱愛の事を口に出

そうとはしない。だけど俺は親父に正直な

気持ちを話す事にした。

「親父、ちょっといい?」

「お、どうした」

親父がムリして明るく振る舞っているのが

分かる。俺はこんな風に気をつかわせるの

が嫌だ。もうこんなのは終わりにしたい。

「ここ座って」

リビングに誘導するとソファに親父を座ら

せた。俺も隣に座り親父と向き合う。真剣

な眼差しで見つめると親父も真面目な表情

になった。

「親父・・・俺、明日・・・会見しようか

と思う」

「・・・えっ?会見?一体何の・・・」

親父が俺の言葉に目を丸くする。苦しい胸

の内を話すのはなかなか大変で、俺は変な

汗をかいていた。

「おじさんと今日電話で話した。熱愛で大

変な事になったから会見開いてほしいっ

て」

「なっ・・・そんなのいつの間に」