親父は急に真面目な顔つきになる。リアル

な話に聞き入っていると本格的に怖くなって

きた。

「・・・それって、どうすればいいんだろ

う?」

「・・・ごめん、俺は舞花を助ける事は出

来ても輝を助ける事は出来ない。俺は輝と

全く関係ないし、事務所がそれを見逃して

くれないよ」

そうだ。親父はコネで舞花を干される危機

から救ってくれても輝とは何にも関係がな

い。それに、首を突っ込む事を輝の事務所

が許すはずもなかった。

「じゃあ、どうすれば・・・」

俺の頭の中には何も答えが浮かんでこな

い。親父は隣に座ると背中をポンポンと叩

いた。

「今回の事に関しては、俺も救いきれない

よ。俺は舞花の事にも口出ししない事にす

る。どうするかはお前次第って事だ」

親父が本気で俺を突き放した。こんな事は

初めてだ。俺にもやっぱり成長が必要とい

う事か。


「・・・分かったよ。俺が一人で何とかし

てみる」