「瑞希、どういう事なんだ。正直に言ってく

れよ」

俺はとにかく落ち着こうとソファに腰掛け

る。親父が涙目で至近距離まで近づいてく

るから気持ち悪くて吐きそうだ。

「あのさぁ、親父。俺は男だぞ。あんなの

誤解に決まってんだろ」

「瑞希・・・パパは瑞希をそんな風に育て

た覚えはないぞ」

「だから違うって!」

親父が興奮して俺に詰め寄ってくる。目の瞳

孔が開いていた。

「いいから落ち着けって。俺はあいつと話

してただけで何もしてない。問い詰められ

る筋合いなんかないんだよ」

それを聞いて親父は安堵した表情を浮かべ

る。


何か・・・俺の周りって面倒な人間多くな

いか?


「なぁ、瑞希。どうするんだ?こんな事に

なって・・・いくら何もないとはいえ、舞

花も輝も芸能界の顔だぞ。舞花は今や国民

的アイドル、輝は今が最も旬な若手俳優。

この二人の熱愛記事が出た時点で二人とも

仕事が激減するのは目に見えてる」