「うわっ!・・・何だ、夢か」

翌朝、目を覚ますとスウェットが汗でびっ

しょりと濡れていた。

夢・・・

散々、大量の記者に追い掛け回される夢。

昨日あんな物を目にしたばっかりだという

のに・・・

「はあ、目覚めが悪い」

俺はとりあえずお茶を飲みたくてキッチン

に行った。コップにお茶を注ぐと一気に飲

み干した。それでも気分は全然良くならな

い。

「はあ・・・」

「おい、瑞希!」

溜め息をつきながらリビングに行くと、も

の凄い勢いで親父が飛びついてくる。反射的

に突き飛ばしてしまった。

「な・・・何で突き飛ばすんだ」

「ご、ごめん。気持ち悪くてつい・・・」

親父は俺の言葉に軽くショックを受けてい

る。この人はおかしいから見慣れているが

今日はいつもと様子が違う。

「瑞希・・・お前、週刊誌見たぞ」

「・・・あ、あ~、あれね。あれ」

親父が直球過ぎて鼓動が派手に高鳴る。何

とかごまかそうにも動揺のあまり上手く言

葉が出てこない。