ロビーで一人慌てていると通りすがりの人

が俺に注目している。俺は視線を感じて落

ち着きを取り戻した。

「ていうか・・・何でよりにもよって輝と?

最悪なんだけどぉ・・・」

屈辱で肩を落とすと輝から怒りのオーラが

発せられる。思い切り睨みつけられて思わ

ず仰け反った。

「あのなぁ、最悪なのはこっちのセリフだ

よ。何でお前なんだよ。何で初の熱愛記事

なのにお前みたいなチビなガキと撮られな

きゃなんねえんだ」

輝は俺を指さしながら凄い剣幕で詰め寄っ

てくる。俺が言い返す間もなくマネージャー

さんを引き連れてエレベーターに乗り込ん

でいった。

「・・・ええ~?これ・・・どうなっちゃ

うの?」

もしかして、あの時の光って雑誌記者だった

のかな・・・ああ~、最悪・・・

こんな時におじさんがいてくれたらきっと面

白おかしく励ましてくれたのに・・・てい

うか、マネージャーのクセに何でこういう時

に限っていないんだよ。頼りにならねえ

な・・・


俺は甘く見ていた。そんなすぐにどうかな

るとは思っていなかった。それなの

に・・・