~30分後~


「舞花ちゃん、大丈夫だった?」

「はい、ご迷惑お掛けしてしまってすみませ

ん」

俺は輝が落ち着きを取り戻すまで何とか慰

め続けた。途中でマネージャーさんが戻って

きたから門の外に出ていった。マネージャ

ーさんは別のカメラマンなどに電話を掛け

て撮影してくれないか頼み込んだらしい。

だがスタッフを急遽揃えるのは不可能とい

う事で撮影は結局中止。輝はマネージャー

さんの車で帰ったそうだ。

「そうだ、お茶あるから飲む?って言っても

ペットボトルだけどね」

案の定、スタジオ内に戻ると三枝さんが心

配そうに駆け寄ってきた。俺は謝ったがま

だ心の中には輝の事が引っ掛かっていた。

「ありがとうございます。頂きます」

俺はペットボトルを受け取るとキャップを

開けて少しだけお茶を飲んだ。三枝さんは

にこやかに微笑んでいるが編集長は何やら

表情を曇らせている。

「舞花ちゃん。あなたは人気アイドルなん

だから、体調管理はしっかりしないとね」

「あ・・・はい、すみません」