俺は朝食を適当に済ませてから家を出た。

親父は昼から仕事らしいのでまだ家にい

る。

「おはよう、金沢くん」

学校に行くと玄関にたまたま風見がいた。

「おはよ」

「昨日はどうしたの?」

「え?」

「来なかったじゃん。無断欠席したんでし

ょ?」

「あー・・・まあ、な」

よりにもよってこいつにこんな事を訊かれる

なんて、マジでめんどくさい。

俺は仕方がないので適当にごまかす事にし

た。

「あ~、それな。階段から落ちてケガし

ちゃってさ。仕方ないから救急車で運んでも

らったんだよ。それで電話出来なかったわ

け」

そういえば昨日は留守電に先生からのメッ

セージが入ってたっけ。親父と仲直りした事

でそんな事すっかり忘れてたよ。

「え~?ケガ?めちゃくちゃ元気そうじゃ

ん」

風見は俺を指さして指摘してくる。正論なの

で何も言い返せない。