俺の寂しい気持ちは日に日に強くなってい

る。いくら俺が中3の15歳だとはいえ、今ま

で一度だって親父と遊んだ事がないのだ。

寂しいに決まっている。

「仕方ない。遊びに行くか」

俺はいても立ってもいられず適当に着替える

とうちを飛び出した。


~10分後~


「おう、瑞希。どうした?そんな深刻そう

な顔して」

俺は近所にあるクラスメイト・田町の家に

遊びに行った。田町はドアを開けると笑顔

で出迎えてくれたが、俺は暗い顔のまま家に

上がった。

「どうした?何があったんだよ」

「それは・・・」

田町に話したい事は山ほどあった。しかし

全ての事は話せない。中学校に上がってか

らほとんど周りの人間は変わっていない。

だから周りの人間には「両親が亡くなった

から親戚が親代わりになっている」という

事にしている。

「・・・おじさんってば、いっつも仕事仕

事って相手にしてくれなくてさ」

「ああ、そういう事ってあるよな」