「さて来週は~?」

雛壇に座るタレントの一人がアップで写る

なり次回予告のフリをする。モニターが切

り替わると別のタレントが写し出された。

「最近アツい!韓国文化の最前線に迫る」


「「次回も観てねー!」」


最後は全員でそのセリフを言いカメラに向

かって手を振る。

収録が終わり出演者が控え室に戻ってい

く。観客は嬉しそうに俺に手を振ってき

た。やはりと言うべきか、普通のタレント

との扱いがまるで違う。


俺はろくにスタッフに挨拶をしないまま

セット裏へ引き上げる。誰とも話さずに控

え室へ続く廊下を風を切る様に歩いた。


「舞花ちゃん、お疲れ様。今週も可愛いウ

インクありがとね。来週も頼むよ」

後ろから誰かが俺の背中を軽く叩く。

振り向かずとも声の主なんて分かっていた。

「・・・プロデューサー、いつまでこんな

のやらせるつもりだよ」

「いいじゃないか。そこらの女の子より可

愛いんだから」

「嬉しくないよ」