はっ?誰だこいつ。俺と同い年に見えるけ

ど・・・まさかおじさんの子供?

「おじさん、この人・・・誰?」

「紹介してなかったな。彼は風見優希(か

ざみゆうき)くん。舞花のファンなんだ

と」

「え?ファ、ファン?」

おじさんは運転席に乗り込むと何事もなさ

そうにシートベルトを締める。俺は予想も

していなかった答えに思わず声が裏返っ

た。

ていうか、何でおじさんの車にファンが乗

ってるわけ?おじさんとどういう関係なん

だ?

俺がひそかに心の中で詮索していると風見

がキラキラした眼差しで見つめてきた。

「僕、今日スタジオにいたんだよ。覚えて

る?」

「え?えーっと・・・」

俺は睨む様にそいつの顔を覗き込む。しか

し穴が開くほど睨んでも全く記憶になかっ

た。

「・・・ごめん、分かんないかも」

「え~っ!?酷いなぁ。僕、あんなに君の

事見てたのに」

「えーっ・・・マ、マジ?」