「そう言えば俺、1回だけたまたま202号室の人を町中で見たことあるよ。」


「マジっすか。」


「その当時俺がバイトしてたカフェまでの通り道に公園があったんだけど、

そこのベンチで1人で座ってた。」


「あ~分かる気がする。僕もたまにブランコに乗りたくなりますもん。

あとジャングルジム!
一番上まで登って空を眺めるの好きだったなぁ~。」



「ジャングルジム?・・ってなに?」


「えー!!三上さんご存じないんですか?」


「・・・・・ミーはそういうの知らないのでアリマース!ベイビー!」


「ハハハ!急に金持ちキャラ出すのやめてくださいよ。」



「I don't know what you're talking about.」


英語でごまかしながら、冷蔵庫から食後用にと買っておいたスイーツと白ワインを取り出す。




「Don't make any excuses.」


「・・・なに!?鳥越君も英語話せる人?」


「日常会話ぐらいならできますよー。」



さすが、銅収堂で働いているだけのことはあるな。


オレゴン州のワインをグラスに注ぎ、再び乾杯をした。




第11話 完