ピー!ビー!
甲高い音と、低い音の笛の音に、起こされた。
朝だ。遅刻は厳禁なので、素早く着替えて、
髪を直す。昔から、寝癖がほぼ無いので
直すのは楽だ。そして、まだ眠い頭を、
無理に動かし、食堂へ向かう。
ざわざわざわ…
相変わらず、どこの基地でも食堂は騒がしい。
俺は、部屋で一人で食べることが多い。
今日も、食事だけ受け取って、いつもと同じように部屋で食べた。
午前は訓練。放送があれば違う場所に行く。
正確に言えば、演習だ。たまに、本番へ行くこともあるが…。死か生か別れるから、行きたくはない。ふと、大きい、サイレンのような音が
響き渡った。責任官の話では、放送は、学校のチャイムの様なものだと言っていたのに。
周りを見渡すと、みんな固まっていた。
そりゃ、そうだろうな。
話と違うからな。その後、放送が入った。

「マリア市街区、アステラ市街区に敵侵入を確認した。直ちに急行せよ。繰り返す。マリ…」

これは、おそらく本番だろう。
まぁ、簡単に言うならば戦争だ。
だが、行くしかない。命令だから。
渡された紙を見る。俺は、第5班だ。
メンバーは…もう一度紙を見る。
新井 新太 あらい あらた
和田 陸 わだ りく
暁 海鋭 副班長
佐奈田 由良
高田 卓也 副 たかだ たくや
有野 健 ありの けん 班長
6人構成だ。よく見ると、昨日会った星乃の
名前がある。女の人一人しかこの基地にはいないため、うちのメンバーは、張り切っている様だ。
万が一の為皆重装備になる。やはり重いし疲れる。
車に乗ると、中は狭く、椅子は硬い。
窓には鉄格子。外のマフラーから焦げ臭い匂いがすごくする。まるで、囚人になったみたいな気分だ。俺たちは、アステラ市街区。
着いた途端、一人が大きな声で
「全員車から降りて伏せろ!」
と、叫んだ。とっさに、
俺たちがジャンプするように降りた瞬間、