次の日の朝。


家を出ると、りりがいた。


大雅は、いつのまにか朝練に行ってて、会えなかった。


りりは私に気付くと、

「芽生ーーー!」


そう言って、駆け寄ってきた。


なんだこのかわいい動物は。

こんなの、天然の誘惑だよ。
この鈍感野郎。

りりは可愛いくせに、
モテるくせに、その自覚はない。


「りり、おはよう。どうしたの?朝から。」

「今日は、朝練あるって、爽君に言われたから、たまには、芽生と一緒に行こうと思って!」


と、ニコニコしながら言ってる。

いや、代用品かよ。

まあまあ。私もりりと話したかったから嬉しいけどね。


「あ、りり、海、大雅来てくれるって。」

「えっ!?ほんとに!?あの大雅くんが!?」


めちゃめちゃ驚くじゃん。

無理もないよね。


あんだけ、人混み嫌いって言ってたからね。


「りり、なんか言ったの?」
なんて、ニヤニヤしながら聞いてくる。

えっ、何か言ったっ……け。




言ったかも。