【大雅Side】


「俺、海は行かねえ。」

俺がそう言うと、少し悲しいような表情をした。

わかってる。

俺と一緒に行きたいんじゃなくて、あいつら二人といるのが辛いんだろ?

お前はリア充じゃねえからな。はは。



「行きたいなら、他の奴といけよ。」


そう言って、俺は、出ていこうとした。


でも、袖をギュッと誰かに掴まれた。
誰か……芽生しかいない。


なんだよ。





「大雅も一緒がいい。」


は?

な、んだよ、それ。


「わっ、ご、ごごごごご、ごめんっ、き、気にしないでっ」

慌てすぎだろ。


なんだったんだ……?




つーか、可愛すぎ。

上目遣いで俺のこと見てくるし。


可愛すぎるだろ。



あー無理だわ。

これ以上、こいつといるとやばい。

そう思って、俺は、芽生の部屋を出た。




自分の部屋に帰り、ベッドにゴロンと寝た。

天井を見ながら、


「あいつ、可愛すぎだろ…」


という、気持ち悪い言葉を呟きながらそのまま寝てしまった。