次の日。
朝からあるやつに声をかけられた。
「大雅く~ん?」
この、甲高い声。
聞いたことがある。
俺が振り向くと、そこには
「久しぶり~、マリアのこと覚えてるよね?」
池田か。
覚えてるに決まってる。
「あぁ。」
「そっかー、よかったぁ」
と言って笑ってる。
「で、何の用だよ。」
俺がそう言うと、クスクス笑い始めた。
は?なんだよ。
「マリアにそんなこと言ってもいいの?あの、写真のデータ、まだ持ってるよ?」
嘘だ。
あれは、全部俺が抜き出した。
こいつは、それに気づいてねぇ。
「別に。もうあいつとは関わってねえし。」
「そっか~。ならいいんだぁ。」
なんなんだよこいつ。
「大雅くん、また付き合わない?」
どこから、そんな余裕が出てくるんだよ。
「別に、お前のこと好きで付き合ったんじゃないし。」
「なによそれっ。私、芽生ちゃんに何するかわかんないよ!?」
「それだけはやめろ。」
頼むから……。
「あいつだけは、ほんとにやめてくれ……」
俺はあいつが馬鹿みたいに好きなんだ。