どうしてっ…………


「なんでここにいるの……柊真…」

少し離れたところにいる柊真には
その声は聞こえていなかった。

塾なんじゃ…ないの?


どうして、女の子と……花火大会に来てるの…。


と、下を向いて歩いてたので
ドンッと人にぶつかった。



「あっ、ご、ごめんなさっ……」


なんで…………

なんでこんな…………


こんな時に…現れるの……?


「…………大雅っ…」

「…芽生……どうしたんだよ?」


「……っ、ひっ……ずずっ…」
大雅の顔を見ると、急に涙が溢れてきた。

「…おい!どうしたんだよっ…………とりあえずこっちこいっ」

そう言って、大雅は、私の手を引いて人通りの少ない場所へと連れていった。


「……っ、ひっくっ…………っ。」

「大丈夫かよ。」

「…ご、ごめっ…………」

「てか、あいつのこと信じてたのかよ。」


そんなの…………

「…あたり……まえ、でしょっ…………っ。」

「ほんっとバカだな。」


う、うるさい……。


「帰るぞ。」

「…う、うんっ…………っ。」



私は、大雅と一緒に家へ帰った。