「ね、ねぇ。今の羅夢?どうしたの?」

あ、愛叶のこと忘れてた…

でも…

「わり。愛叶。今は一刻を争うんだ!」

愛叶はなにかを察したようで黙っててくれた

“もしもし?”

「優作さん!!お願いです!多分、会社の前で中学生と大人が揉めてるんです!少女を、助けてください!!」

優作さん。

頼む!

“すぐ行く。”

よかった。

俺も行こう!

「愛叶。ミヤマアルファに行くぞ」

「へ?あっ。うん!」

俺と愛叶はチャリをぶっ飛ばしてミヤマアルファに来た…

のは、いいんだが。

俺らみたいな中学生は会社に入れねーよな。

どうしたら…

と、思っていたら…

「あの、すみません。ミヤマアルファの社長に会いたいんですけど…」

中から出てきた社員に声を掛けている人…

愛叶だ…

「社長に?うーん…。君たちまだ、高校生くらいでしょ?社長に合わせるのは…」

ですよね、、

普通はそうですよね…

「ってか、あの人思い出すなぁ…」

ん?

「あの人?」

「あれ?口に出してた?林…莉愛さんとか言ってたっけ?その人が社長を訪ねにきたの。綺麗な人だったから、思わず連絡先聞いちゃって、社長に教えたの。しばらくしたら、社長…ご機嫌でね!もしかしたら、社長の探してる元奥さんなのかなー?って。」

母さん案内したのもコイツかよ。

「それ、正しいっすよ。俺ら、2人の子供なんで。」

「えぇ!?ほんとに!?」

この女。

うざい。

ガチで

「ねぇ!!そんなことより、社長に合わせて!」

「あ、そか!こっちよ。」

そう言って、ちょいウザ女は社長室に案内してくれた

コンコン

「倉橋(くらはし)です。」

「どうぞ。」