一休みしようとカフェという所に連れてきてもらった。見事に女の子しか居ない。



「カフェって女性限定なの?」

「あはは! そんな訳ないじゃない!」

「だって女の子しか居ないから……」

「店員の所為だよ」

「店員?」



お店の中を見渡して、店員さんを見た。黒いベストに腰には真っ白なエプロンを巻いた男性店員さんたち。お客さんは女の子しかいないけど、店員さんは男性しかいない。



「カッコイイ人しか居ないでしょ?」

「……そう、なのかな?」



いつも一緒にいたヘンリーよりもカッコイイと思える人は1人もいない。それに、性格は最悪だけどジーン王子も顔だけなら衝撃的な美しさだ。



「人それぞれ好みがあるしね。 ビーチェの好みの人はいないかぁ〜残念! どういう人が好みなの?」

「包み込んでくれる様な感じのあったかい人」



真っ先に浮かんだのはパパだった。公務が忙しくて中々会えなかったけど、愛されていないと感じた事は一度もなかった。幸せだった。