街は広く、沢山のお店が建ち並んでいる。人で賑わい活気付いている。



「何処行きたい?」

「洋服買いたい!」

「了解! 私のオススメのお店行こう!」



手を引かれ、人混みをすり抜けて行く。手が離れてしまわない様に必死について歩いた。見慣れないお店に目を奪われてしまう。油断すると転んでしまいそうだ。


みんな笑ってて楽しそう。


ロアナが連れて着てくれたお店は若い女の子たちで賑わっていた。



「どんな感じがいいの?」

「あ、えと……全然決めてなくて……」

「あははっ、じゃあ色々着てみようよ!」



いつも洋服はマデリンのおさがりか、ヘンリーが買ってきてくれた物を着ていた。だから今まで自分で洋服を買ったことがない。初めての事に胸がドキドキする。



「これは?」



膝丈のワンピースを当てられたと思いきや、「こっちも」と言いながら脚のラインが綺麗に出そうなパンツを当てられた。


ロアナに色んな洋服を見立ててもらいながら、沢山試着した。


この国は年中暖かく過ごしやすい気候らしく、華やかな色の洋服が多い。


購入した洋服の中から、ワンピースとミドル丈の編み上げブーツを着たままお店を出た。着慣れないから変な感じ。恥ずかしい。膝下のスカートしか履いたことないから、いつもよりスースーする気がする。落ち着かない。