国王陛下との時間を終えて自室に戻った。


真っ暗な部屋に入ると、肩に乗ってるレミーの尻尾がバシ!っと頬に当たった。キュルキュル鳴きながら何度も尻尾が当たる。



「ちょっ、レミーどうし__っ!?」



突然腕を掴まれ投げ飛ばされた。投げ飛ばされた先はベッドの上らしく、痛みはなかった。


馬乗りになられ腕を頭の上で押さえつけられた。凄い力っ……もがいてもビクともしない。


何!?誰!?


叫びたくても声が出ない。まるで喉に声がはりついてしまったみたいに……。


え?


月明かりで見えた顔に驚いた。



「……ジーン、王子?」



私を見下ろすジーン王子の瞳は、初めて会った時よりも冷たかった。蔑む様な瞳。急に息苦しさを感じる。



「遅かったな」

「っ…………」



口は開くのに言葉にならない。怖い。



「お前は自分の価値を分かっていないのだと思っていたが、そうではなかった様だ」

「……か、ち?」



何とか絞り出した声が震える。



「お前の容姿は珍しい。 それに……人目を惹く」

「…………」



何?何なの?この人何言ってるの?分かんない。何でこんな事になってるの?


手も振り払えなければ体も動かない。


イッ__!足をバタつかせると手首をグッと握られた。