国王陛下と私の関係を知っているのは薬室長だけ。他の人たちはまさか私と国王陛下に接点があるなどと思う者はいないだろう。


はじめは心臓発作に効く薬を届けるだけだったが、今ではそれだけではなくなっていた。



「オルセンさん、今日はこのお茶を入れて頂けますか?」

「畏まりました」

「新しいお茶を持ってきてくれたのか」

「はい」



疲労が溜まった時に発作が出てしまうのなら、出来るだけ疲労がたまらない様に出来たらと思った。そこでたどり着いたのがお茶だった。いつも飲んでいるお茶に、疲労回復に効く薬草をブレンド出来ないかと思って作ってみた。


毎回国王陛下にお出しする前にオルセンさんが毒味をする。初めて見たときは驚いたけど、すぐに納得した。国王陛下に何かあれば国の一大事だもんね。



「今日のお茶も美味しい」

「お口に合って良かったです」



レミーは私の膝の上で大人しく小さくカットされた林檎をむしゃむしゃ食べている。レミーの話しをしたら、国王陛下が連れてきても良いと言ってくださったので、それからはレミーと一緒にお邪魔する様になった。



「ベアトリーチェはいつ休みを取るんだい?」

「……決めていません」