笑うと盛り上がる頬っぺた。すると涙が流れ落ちた。



「クリストフと同じようにきっとママもエデ伯母さまの事を愛してた。 私が復讐なんて考えたらママは悲しむと思う。 だから、私は貴女を生かしたい。 それは貴女にとって苦しみかもしれないけど、私は殺す道は選ばない」



地面に手をつき、立ち上がろうと踏ん張った。手が震えて力が入らない。するとジーンに腰を抱かれた。お陰で支えられながら何とか立ち上がることが出来た。


みんなとの目線が近付いた。表情もよく見える。



「ビーチェ!!」



泣きながら走ってこようとしたロアナをリュカさんが止めた。涙をボロボロと零すロアナの肩を抱き寄せるリュカさんの表情は、『ロアナの事は任せてください』と言っているかの様だった。


私はジーン顔を見上げた。



「最期まで側にいてくれる?」

「たとえ死が訪れようとも、来世もその先もお前と_ベアトリーチェと共に生きると誓おう」



誓いのキスを交わす様に、私たちのおでこは自然とくっついた。


ママ、パパ……どうか見守っていて。



「アウロラ、私の力を出来るだけ沢山の人に届けたい。 みんなの心が癒れば、争いはきっとなくなる。 私に力を貸して欲しい」