止まない攻撃。正気を失った人々。疲れ果て傷ついたみんな。


このままだと本当に世界は壊れてしまう。



「アウロラ」



私の小さな声は思っているよりも小さいのか、怒りに囚われたアウロラの耳に届かない。けど、負けじと口を開いた。



「コンソラトゥールの力には、心を癒す効果もあるんだよね?」



そう聞くと、エデ伯母さまから手を離したアウロラがゆっくりと振り向いた。


アウロラの目は見開かれ、私の考えが分かっているような表情だった。



「ダメだ! そんなことをすればそなたは__」

「このままただ死を待つだけなら、この命誰かのためにつかいたいの」



後ろから力一杯ジーンに抱きしめられた。ダメなのに涙が溢れた。


抱きしめてくれているジーンの腕をグッと掴んだ。



「エデ伯母さま、私まだ諦めないよ。 その目で見てて。 どんな世界にも確かな光はあるんだって、証明してみせるから…」

「……わたくしに反省でもしろと申すのか?」



この人はどこまでも捻くれてる。でもそうさせてしまったのは本人だけの責任じゃない。沢山の小さな間違いがそうさせた。それは後悔とも言うんだろう。