エデ伯母さまの大きな怒声が響き渡った。


泣いてる。


今まで勝気で傲慢な態度を取っていたエデ伯母さま。私が何を言おうと怒るだけで、悲しそうな顔をしたり涙を流す事もなかった。



「わたくしはただ触れ合い、笑い合い、同じ時を過ごしたかった!! それが過ぎた願いだというのか!? 欲張っているというのか!? だったら何故わたくし以外のものたちはそれらの事を許されるというのか!!!! 何故だ!!!!」



息切れ切れになりながらも、エデ伯母さまはアウロラに掴みかかった。震える手。それはコンソラトゥールのせいなのか、高ぶる感情のせいなのかは分からない。


涙で濡れる顔からは妖艶さが消えていた。



「そなたが何を望もうとも、そなたがプワゾンの力にのみ込まれたその時から叶わぬ望みとなった。 恨むなら己の心の弱さを恨め。 己の弱さを他人のせいにするでない。 己の無力さを世界のせいにするでない!!!! どれ程己自身を憐れもうともそなたの犯した罪は消えぬ!!! 罪を犯した理由にはならぬ!!!! いつまで子供のままでおるつもりだ!!!!」



アウロラの言葉は耳を通って胸に落ちる感じがした。


揺れ音を鳴らす落ち着きのない大地。そんな中にいても、もう自分の命はそう長くないと冷静に考えられるほど私の心は穏やかさを取り戻していた。


言葉を……声を失ってしまったかのようにおとなしくなったエデ伯母さま。この状況を作り出した張本人というのに、一番死の淵に立たされているとでも言いたそうなほど憔悴しきった様子だ。