数日が過ぎ、争いは激しさを増していった。


城下に住む人たちは用意されたシェルターに避難した。それでも絶対に安全を保障されたわけじゃない。直接大きな攻撃を受ければどうなるか分からない。


他国の軍に囲まれているマクブレイン国に逃げ場はない。戦うか、私が死ぬか……今の私の中にはその二択しかない。


_コンコンコン。



「はい」

「クリストフだけど、入ってもいいかな?」



私は扉を開け、クリストフを招き入れた。


椅子に座ったクリストフの目の前にお茶を注いだカップを置いた。すると手を握られた。



「……この短期間でだいぶ進んだね。 具合はどう?」

「風邪引いてるみたいな感じ。 でもずっとそんな感じだからもう慣れちゃった」



戦いに出て、怪我を負って帰ってくる兵士たち。薬や手術では追いつかない怪我人には力を使っている。だから私の中の毒はどんどん広がっていっている。


胸元の根は広がり、指先の根も今では腕を覆う勢いだ。