クリストフの目にはどんどん涙が溜まっていく。そんな彼の顔を見ていたら、鼻の奥がツンとした。



「母様をッ__助けたかった!!!!」



ギュッと瞑った目から大粒の涙がこぼれ落ちた。クリストフの目からは大粒の涙がたくさんこぼれ落ちていく。



「だから、僕は正気を失うわけにはいかなかった__っ!! だから色んな国を回って医学を学びッ、毒について研究し、精霊や妖精ッ__色んな事を調べて回った!! けどっ、母様を救う方法どころか、僕の毒の制御の方法すら分からない!! 今までの時間は全て無駄だっ__」



アウロラは頭を抱え、泣き叫ぶクリストフを抱きしめた。アウロラの腕の中でクリストフの肩が大きく震えている。


そんなクリストフの姿がボヤけていく。ぬぐってもぬぐっても溢れ出てくる涙を止められなかった。



「無駄ではない。 わらわは感謝しておる。 そなたが居なければ、恐らく今頃ベアトリーチェは死んでいたであろう。 そなたがプワゾンの毒について研究してくれていたおかげだ。 心から礼を言う。 ありがとう、クリストフ……我らが王子よ」



一生懸命に声を押し殺していたクリストフ。けど、子供のように声を出して泣き始めた。


ベッドから降りようとする私に気付き、ジーンが手を貸してくれた。ジーンに支えられながら、私はクリストフの元へ歩いた。


クリストフの隣に座り、彼の肩にそっと触れた。泣き噦る身体は熱を上げている。


私もクリストフを抱きしめ、彼が落ち着くまでの間側を離れなかった。