困惑するアウロラの手を握った。



「アウロラ、心配かけてごめんなさい」

「そなたの所為ではない! わらわの責任だ……またもやそなたを危険な目に合わせてしまった……すまぬ。 本当にすま__」

「アウロラのせいじゃない。 それに私はこうして戻ってこられた。 だから謝らないで」



何度アウロラに悲しい顔をさせたか分からない。そんな顔をさせたくなくて、ちゃんとしなきゃって思うのに上手くできない。


謝らなければいけないのは、弱くていつも心配を掛けてしまう私の方だ。



「ジーンを呼んできてくれない?」

「しかし……」



アウロラはクリストフに疑い深い目を向けた。まだクリストフの事を完全に信じてくれてはいないんだろう。私以上に警戒してくれる。


クリストフは両手を上げ、指を広げた。戯けた笑みを浮かべて口を開いた。



「ベアトリーチェに危害を加えたいなんて1ミリも思ってないけど、心配だったら縛るなり、閉じ込めるなりしてくれていいよ」

「……いや、そなたを信じよう」



アウロラは私のおでこにそっと唇を寄せ、スーッと姿を消した。


何度も見ているのに、アウロラが消える瞬間は慣れない。どうしてだか寂しい気持ちになる。不安なのかもしれない。