求めよ、さらば与えられん

アウロラはジーンを見下ろす様にテーブルに座った。アウロラの色気に嫉妬しないのは、ジーンとは悪友の様な雰囲気が出ているからだろう。



「何が知りたいのだ?」

「地図で変わっている箇所を知りたい。 できれば正確に」

「ふふっ、妖精や精霊たちからの情報がわらわのところには入ってくるゆえ、誰よりも正確な地図が作れるであろう……が、まさかタダでとは言うまいな?」



始まったよ。二人の間に火花が見える…様な気がする。けどこの二人のやり取りは何気に好きで、止める気にならない。それにどことなく二人とも楽しそうな顔してる。



「望みは何だ」

「さぁ? 何であろうな? 今回は一つ貸し、ということにしておこうかのぅ、坊や」



アウロラの妖艶な笑みに対して、ジーンの額には青筋が……原因は最後の「坊や」の一言だろう。


普段の言動からもそうだけど、二人のやり取りを見ていても思う事がある。アウロラはいったいどのくらいの歳月生きてきたんだろ…って。



「お仕事の邪魔しちゃ悪いから、私は先に部屋に戻ってるね」

「何を言うておる。 そなたを一人には出来ぬ。 直ぐに終わるゆえ、そこのソファーで待っててもらえぬか?」

「一人だなんて大袈裟だよ。 直ぐ隣だから大丈夫だって」

「ベアトリーチェの事に関してはアウロラと意見が合う。 俺も心配だからアウロラとの話が終わるまでここに居てくれ」



お腹に腕を回され、強引に膝の上に座らされた。恥ずかしい!そして笑われてる!バローさんに関しては信じられないって顔してる。


抵抗したところできっとジーンの力には敵わない。諦めて大人しくしていた。そんな私を膝の上に抱えたままジーンは真面目にアウロラの話をきいていた。