お茶をテーブルに置いていくと、ダミアンさんは元気に、カステルさんは優しくお礼を言ってくれた。そして何となく見たことがある様な男性からは、畏まって「恐れ入ります」と言われた。「いえ、こちらこそ恐れ入ります」と訳の分からない返しをしてしまった。


ダミアンさんの豪快な笑いが部屋中に響きなんだか恥ずかしくなってきた。



「もう！ 笑いすぎです！！」



ダミアンさんの肩をバシッと叩いた。それでも笑ってる。もう！



「ジェラールとちゃんと会うのは初めてだったか？」

「うん」



＿ガタッ！


急に立ち上がられてビックリした。



「ご挨拶が遅くなり申し訳ありません。 木の騎士団総長、ジェラール・バローです。 以後お見知り置きを」



バローさんに深々と頭を下げられた。それも正式な場でする様な丁寧なお辞儀で……。



「いえ！ 私の方こそちゃんとご挨拶せずすみませんでした！ ベアトリーチェ・バルドックです！ 宜しくお願いします」



私も負けじと頭を下げた。すると柔らかな笑い声が聞こえてきた。



「ジェラールもベアトリーチェ殿もかしこまり過ぎですよ」



顔を上げて「へへっ」と笑うと、ジーンに笑いながら手を握られた。