片付けをしていると、隣のメイドさんのリボンが目に入ってきた。



「そのリボン可愛いですね」

「え!? こ、これですか!? ベアトリーチェ王女にその様に仰って頂けて嬉しいです。 ありがとうございます」



なんて可愛い顔で笑うんだろう。



「何処で買ったんですか?」

「あ、えと…これは、その……」



口籠もり始めてもしや?と思った。頬が緩んでしまう。



「彼からのプレゼントですか?」

「は、はい……」



遠慮がちに答えてくれたメイドさんの顔が真っ赤になった。雰囲気的に私より年上なんだろうけど、可愛いと思わずには言われなかった。


私もリボン買おうかな。結構伸びたし、今なら色んな髪型が出来そう。とは言っても、不器用過ぎて編み込みとか難しい髪型は出来ないんだけどね。


片付けしてたら暑くなってきた。ポケットからハンカチを出して首元に当てた。



「ベアトリーチェ王女、何か落とされましたよ」

「え? 本当だ。 ありがとうございます」



メイドさんから受け取ったお花のブローチを見つめた。そういえばポケットに入れっぱなしだった。



「そのブローチ、一体どこで……」



頭上から聞こえたアウロラの動揺した声。顔を上げると、アウロラが珍しく瞳を潤ませた顔をしていた。