求めよ、さらば与えられん

日が経つにつれ、みんなの疲れも蓄積されていく。


どんなに頑張って手当てをしようと、救えない命もある。どれほどの思いを込めようとも、指の隙間からこぼれ落ちていく命。今日も1つの命を見送った。



「ビーチェ」

「ロッシ、先生……」



教会の裏庭で1人座り込んでいるとロッシ先生が隣に座った。



「目をつぶって冷やしなさい」



そう言って渡された氷を包んだタオルを言われた通り瞼に当てた。ひんやりしていて気持ちがいい。



「辛いかい?」

「……はい」

「薬師を続ける限りその辛さは何度も味わうことになるだろう。 それでも続けていくかい?」



薬師になって初めて死と直面した時、辛さと苦しさで一日中泣いた。その時に言われた言葉。私がこうして落ち込むたびに先生は同じ言葉を掛けてくれる。



「薬師は辞めない。 救えた命もたくさんあるもの」

「そうだね。 私も救える命を救わず後悔するのなら、薬師は辞めないよ」



覚悟を再確認させてくれる。


ロッシ先生に背中をポンポンと叩かれた。白髪に真っ白なお髭を生やすロッシ先生は、シワシワでとても繊細な手を持ってる。けど不思議と力強さを感じる。


この手に何度勇気と自信をもらったか分からない。