ジーン王子は私のプレゼントを箱から出すと、動きを止めてしまった。何か考えてるみたい。どんどん不安になっていく。



「……気に入らなかった?」

「なんだその顔は。 気に入らないわけがないだろ」



じゃあ何で固まったの!?



「…一つは交換しないか?」

「へ? う、うん! する!」



まさかの提案に驚いたけど嬉しい!ジーン王子の耳が少し赤くなってる気がする。普段真面目な顔してる分、こんなの見ると余計キュンキュンしてしまう。


私はジーン王子に貰ったブラックダイヤモンドのピアスを一つ外し、それをジーン王子の耳に付けた。そしてジーン王子も私のあげたイエローダイヤモンドのピアスを私の耳に付けてくれた。右と左で違う色だから、変にみられるかもしれないけど、私はいつも一緒にいるみたいで嬉しかった。



「もう一つあるんだけど……目をつぶってくれる?」



ジーン王子は「しょうがないな」と言いながら目をつぶってくれた。私は意を決して顔を近づけた。唇と唇が触れ合った瞬間、パッと体を離した。驚いた顔のジーン王子と目と目が合った。



「ふ、ふ、ファーストキス! 好きな人とするって決めてたの!」

「あははははっ!」

「もう! なんで笑うの!?」



すっごく勇気出したっていうのに!!



「お前は_っ、顔が真っ赤だぞ!」

「もう笑わないで!!」

「耳も、首も……真っ赤だ」



そう言いながら指先でなぞる様に触られ、ぞくっとした。身体の力が抜けていく。



「ジ、ジーン王__」

「ジーン…そう呼べ、ベアトリーチェ」

「……ジーン」



名前を呼び終えた途端唇が塞がれた。小鳥の様な口付けではなく、長く熱く、恥ずかしがる暇もないただただ幸せな口付けだった。