私は二度とバルドックへ戻って来ないと思ってた。ううん、来られないものだと思ってた。だって私は死んだことにしてほしいとお願いしたから。けど実際は違っていた。教会のみんなには私はマクブレイン国に住む親戚が病気で倒れてしまった為、急遽マクブレイン国へ行ったことになっていた。
マクブレイン国に親戚がいるなんて話したこともないのに、よくそんな嘘が通じたものだ。けど説明を聞いて、みんなが信じたのも無理は無いと思った。ヘンリーが神父様にだけは事情を話し、口裏を合わせてもらっていた。そして私がバルドック城へ向かった事を知っていたロッシ先生にも、神父様から事情を説明してくれたらしい。
マクブレイン国に帰る前にヘンリーと一緒に教会へ寄った。みんなと再会の抱擁を交わした。神父様やマデリンの顔を見たら安心して思わず泣いてしまった。
残念ながらロッシ先生とは会えなかった。先生は終戦後暫くして、また旅に出てしまったそうだ。いつかまた何処かで会えたらいいな。
「マクブレインに遊びに行く! 絶対!!」
「その時は色々案内するから楽しみにしててね!」
「えぇ、楽しみにしてる。 ビーチェ、身体に気をつけるんだよ? いつでも帰ってきていいんだからね? 無理しちゃダメよ?」
「うん、ありがとう。 大好き、マデリン」
「私もずっと大好きだよ」
そう言って抱きしめてくれた。私も強く抱きしめ返し、馬車に乗り込んだ。マデリンや神父様、教会のみんなが見えなくなるまで手を振り続けた。
国境辺りでヘンリーとは別れ、一気に寂しさに襲われたけど、涙は出てこなかった。胸の中は温もりでいっぱいだった。
マクブレイン国に親戚がいるなんて話したこともないのに、よくそんな嘘が通じたものだ。けど説明を聞いて、みんなが信じたのも無理は無いと思った。ヘンリーが神父様にだけは事情を話し、口裏を合わせてもらっていた。そして私がバルドック城へ向かった事を知っていたロッシ先生にも、神父様から事情を説明してくれたらしい。
マクブレイン国に帰る前にヘンリーと一緒に教会へ寄った。みんなと再会の抱擁を交わした。神父様やマデリンの顔を見たら安心して思わず泣いてしまった。
残念ながらロッシ先生とは会えなかった。先生は終戦後暫くして、また旅に出てしまったそうだ。いつかまた何処かで会えたらいいな。
「マクブレインに遊びに行く! 絶対!!」
「その時は色々案内するから楽しみにしててね!」
「えぇ、楽しみにしてる。 ビーチェ、身体に気をつけるんだよ? いつでも帰ってきていいんだからね? 無理しちゃダメよ?」
「うん、ありがとう。 大好き、マデリン」
「私もずっと大好きだよ」
そう言って抱きしめてくれた。私も強く抱きしめ返し、馬車に乗り込んだ。マデリンや神父様、教会のみんなが見えなくなるまで手を振り続けた。
国境辺りでヘンリーとは別れ、一気に寂しさに襲われたけど、涙は出てこなかった。胸の中は温もりでいっぱいだった。


